骨頭壊死は痛い?初期症状や原因を解説

  • 整形外科

脊椎センター長監修記事

梅林猛

大島功生

池袋西口病院脊椎センター長/日本整形外科学会専門医/日本脊椎脊髄病学会指導医

池袋西口病院では脊椎手術に特化した(池袋西口病院脊椎センター)を運営しています。その施設の責任者である大島功生医師監修の下、リハビリテーションや脊椎疾患、手術術式についても寄稿していきます。

大腿骨(太ももの骨)の先端の丸くなった部分を骨頭と言いますが、何らかの原因によって血液の供給が絶たれると、骨壊死を起こす可能性があります。こちらの記事では、骨頭壊死の原因や初期症状および治療法について解説します。

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【目次】
■骨頭壊死とはどんな病気?
■骨頭壊死は痛い?初期症状とは?
■大腿骨頭骨壊死は治る?治療法を解説
■まとめ:気になったら病院で受診をお勧めします

骨頭壊死とはどんな病気?

骨壊死は骨の細胞が壊死してしまっている状態を意味します。骨頭壊死は、大腿骨(だいたいこつ)の骨頭が壊死する病気(大腿骨骨頭壊死)です。骨が腐ってしまう訳ではなく、血液の供給が断たれて骨組織が死んだ状態に陥る点が特徴です。

骨壊死が起こりやすい場所は股関節や肩関節、膝関節などの大きな関節ですが、骨頭壊死といった場合には股関節の疾患を指します。

大腿骨骨頭壊死は男性、もしくは30歳から50歳の方に多く発症が見られ、しばしば両方の股関節に症状があらわれます。

大腿骨頭壊死はなぜ起こる?原因を解説

大腿骨骨頭壊死は股関節脱臼や骨折など外傷に続いて発症するケースもあれば、糖尿病や腎臓病、遺伝性の疾患が原因で発症することもあります。大腿骨骨頭壊死を発症しやすい方としては、次のような例があげられます。

✓コルチコステロイドを高容量、もしくは長期間服用している方
✓日常的にアルコールを過剰に摂取している方、もしくは依存症の方
✓股関節脱臼や骨折などの外傷を負った方
✓急激に体重が増加した方
✓骨粗しょう症などの骨代謝異常をお持ちの方

ただし、骨壊死を発症する方のおよそ20%は原因不明とされています。

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大腿骨頭骨壊死は治る?治療法を解説

Asian doctors watching hologram screens. Medical technology. Medtech.

大腿骨骨頭壊死は原則として自然治癒が期待できないため、発症した際には適切な治療を受ける必要があります。発症者の年齢や症状の程度などを総合的に勘案し、以下2通りの治療を選択することが一般的です。

✓保存治療
✓外科的治療(手術)

大腿骨骨頭壊死を発症した際におこなわれる2つの治療法について解説します。

保存治療

大腿骨骨頭壊死の症状が軽度の場合や、壊死を起こしている範囲が狭い場合、もしくは医師によって予後が良好と判断された場合には、まずは保存療法で症状の経過を観察します。

股関節への負担を減らすために体重を減らしたり、歩行時につえを用いたり、筋力をつけるためのリハビリテーションをおこなったりすることが一般的です。

大腿骨骨頭壊死の発症にともなう痛みがある場合には、非ステロイド性の消炎鎮痛薬を用いて痛みの緩和を図るケースもあります。

外科的治療(手術)

保存療法では大腿骨骨頭壊死の改善が見込めない場合や、痛みのために日常生活に多大な支障を来すような場合には、外科的治療(手術療法)が検討されます。大腿骨骨頭壊死に対する主な手術法は以下の2つです。

✓骨切り術
✓人工関節置換術

大腿骨骨頭壊死に対する2つの手術法について、さらに詳しく見ていきましょう。

骨切り術

大腿骨骨頭壊死に対する骨切り術は、関節温存手術の一種です。関節の動きが悪くなるため長期間のリハビリが必要となりますが、比較的年齢が若い方や、骨頭の壊死がそれほど進行していない方に有効な手術法です。

手術法は大きく「大腿骨回転骨切り術」と「大腿骨内反骨切り術」の2つに分けられます。大腿骨回転骨切り術は大腿骨頭を前方もしくは後方に回転させ、壊死部を荷重部を健常部へと移す目的でおこなわれます。

大腿骨頭を回転させると同時に内反させると、寛骨臼(大腿骨頭が骨盤にはまるくぼみの部分)荷重部に対する健常部の割合をさらに増加することが期待できます。

骨切り術によって荷重部から移動した壊死部は、やがて健常な骨に置き換わるという考え方もあるため、なるべく関節を温存したい方におすすめの術式です。

骨切り術をおこなった後に大腿骨頭壊死の症状が悪化した際に、改めて後述する人工関節置換術をおこなう方法もあります。

人工関節置換術

人工関節置換術は読んで字のごとく、壊死した大腿骨頭を取り除いて、人工関節に取り換える手術法です。骨切り術に比べるとリハビリ期間が短いだけでなく、関節の可動域が広く、痛みも取れやすい点がメリットの1つです。

人工関節置換術は大きく「人口骨頭置換術」と「人工股関節全置換術」の2つに分けられます。人工骨頭置換術では壊死した大腿骨頭だけを取り除き、人工関節に置き換える点が特徴です。

人工股関節全置換術では壊死した大腿骨頭だけでなく、寛骨臼も人工物に取り替えます。人工骨頭置換術に比べると術後の痛みが残りにくい傾向にあるため、医療機関によっては人工股関節全置換術が勧められるケースもあります。

痛みの緩和や可動域の確保といった点でメリットがある人工関節置換術ですが、特定の肢位で脱臼を引き起こしやすい点や、使用年数に限りがある点などがデメリットの1つです。

まとめ:気になったら病院で受診をお勧めします

大腿骨頭壊死症は何らかの原因によって骨への血液の供給が断たれ、骨細胞が死んでしまう病気の一種です。壊死が起こってもすぐには症状が見られず、数ヶ月から数年後に突然のように足の付け根部分に痛みを生じる傾向があります。

大腿骨骨頭壊死は原則として自然治癒が期待できないため、病状や年齢に応じて保存療法や手術療法をおこなう必要があります。

原因不明の痛みが急に股関節に起こったような方は、まず専門の医療機関を受診して検査してもらうことがおすすめです。

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