【股関節に違和感?】4つの原因と治療方法 

  • 整形外科

脊椎センター長監修記事

梅林猛

大島功生

池袋西口病院脊椎センター長/日本整形外科学会専門医/日本脊椎脊髄病学会指導医

池袋西口病院では脊椎手術に特化した(池袋西口病院脊椎センター)を運営しています。その施設の責任者である大島功生医師監修の下、リハビリテーションや脊椎疾患、手術術式についても寄稿していきます。

歩き始めると股関節が痛くなったり、階段を昇り降りする際に股関節がずれる感じがしたりすることはありませんか?

動作にともない股関節の痛みや違和感などの症状が見られる場合には、何らかの股関節疾患を発症している可能性が疑われます。

本記事では股関節が痛くなる原因や代表的な股関節の病気、および改善法・治療法について解説しています。

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【目次】
■股関節の違和感は病気のサイン!?原因や症状をご紹介
■股関節の違和感、痛みを治療する方法
■まとめ:股関節に違和感を覚えた場合は病院で受診を!

股関節の違和感は病気のサイン!?原因や症状をご紹介

股関節の病気は大きく以下の4つに分けられます。

✔先天性股関節脱臼/臼蓋形成不全
✔大腿骨頭壊死症
✔リウマチ性股関節症
✔大腿骨頚部骨折

股関節の病気の原因や主な症状について解説します。

先天性股関節脱臼/臼蓋形成不全

股関節の病気の1つが先天性股関節脱臼、および臼蓋(きゅうがい)形成不全です。股関節は大腿骨の骨頭が骨盤の一部である寛骨臼にはまり込み、大きく動ける構造をしています。

しかし、臼蓋が十分に形成されないと大腿骨の骨頭を覆うことができなくなり、股関節の違和感や痛みを生じやすくなります。

臼蓋形成不全を引き起こす原因の1つが、乳児期に見られる先天性股関節脱臼です。先天性股関節脱臼の主な原因は、子宮内での姿勢や抱っこの仕方、遺伝などです。

乳児期の先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全がある場合、中高年にいたり変形性股関節症を発症するリスクが高くなります。

中高年以降に股関節の痛みを訴えて病院を受診する方の多くに、変形性股関節症の発症が見られます。変形性股関節症の症状の特徴は以下の通りです。

✔前期…股関節や臼蓋を覆う軟骨にすり減りは見られず、自覚症状にも乏しい

✔初期…大腿骨骨頭と臼蓋の隙間が狭くなり、関節のこわばりや違和感を生じやすくなる

✔進行期…軟骨がすり減り始め、歩き始めやしゃがむ動作にともない痛みが出やすくなる

✔末期…骨の変形が進み日常生活にも支障を来すようになる

変形性股関節症の症状は両側に見られることもあれば、片側にだけ見られることもあります。男女比はおよそ1:3とされており、女性に多く見られる点も特徴です。

大腿骨頭壊死症

大腿骨頭壊死症とは、大腿骨の骨頭が壊死(血液が通わなくなり組織が死んでしまう)する病気です。

大腿骨頭壊死症の原因は明確になっていませんが、お酒を多く飲む習慣がある方や、何らかの病気の治療目的でステロイド剤(副腎皮質ホルモン)を用いた方に発症が見られる傾向にあります。

また、特に思い当たるきっかけがないのにも関わらず発症する「特発性(とくはつせい)大腿骨頭壊死症」と呼ばれる病態も多く見受けられます。

リウマチ性股関節症

リウマチ性股関節症も代表的な股関節の病気の1つです。関節リウマチは指など小さな関節から発症する傾向にありますが、症状が進行すると足首やひざ、股関節といった大きな関節にも障害を引き起こす可能性があります。

リウマチ性股関節症の原因に関しては明確なことが分かっていませんが、最終的には変形性股関節症と同じような状態になるため同様の治療が行われます。

関節リウマチの男女比はおよそ1:4とされており、特に30代〜50代の女性に多く見られる点が特徴です。

大腿骨頚部骨折

大腿骨頚部(だいたいこつけいぶ)骨折は高齢者に多く見られる股関節の病気です。転倒などをきっかけに発症するケースが多いのですが、若い方でもコンタクト系のスポーツによる衝撃が股関節に加わり発症することがあります。

骨折自体は適切な治療により治癒が期待できますが、折れた骨が血管に刺さるなどして大腿骨骨頭への血行が阻害された場合には、大腿骨骨頭壊死と同じ経過をたどるため注意が必要です。

また、高齢者の場合は大腿骨頚部骨折の治療中に寝たきりとなったことが原因で、認知症を発症するケースも少なくありません。

【関連記事】
ペインクリニックとは(概要、痛みとは、適応疾患、治療法等)

股関節の違和感、痛みを治療する方法

股関節の違和感、痛みを改善・治療する方法としては以下の3つがあげられます。

✔ストレッチ
✔運動
✔病院の受診

ストレッチ

もしお風呂で身体を温めた際に、股関節の違和感や痛みが和らぐようであれば、筋肉や筋膜の緊張が症状の原因である可能性も疑われるでしょう。

筋肉や筋膜の緊張による股関節の痛みは、ストレッチでの改善が期待できます。股関節の簡単なストレッチの手順は以下の通りです。

①床に座った状態で両足を開き、左右の足の裏を合わせる
②深呼吸をしながら両足を身体の方へ引き寄せるようにして20秒ほどキープする
③20秒たったらゆっくりと元の姿勢に戻し3回ほどストレッチを繰り返す

両足を身体の方へ引き寄せる際には背筋をしっかりと伸ばし、背中が丸くならないことを心がけましょう。また、強い痛みが生じる場合にはストレッチを中断し、専門医などに相談しましょう。

運動

通常のスクワット

両足を肩幅より少し広く開き、両手をまっすぐ前に伸ばす
お尻を後ろに突き出すイメージで両ひざを曲げる
太ももと床が平行になったら元の姿勢に戻す
最初は10回から、慣れてきたら徐々に回数を増やす

両ひざを曲げる際に、背中が丸くならないよう気を付けましょう。背中が丸くなると腰への負担が増し、腰痛の発症につながる恐れがあります。

スプリットスクワット

スプリットスクワットは通常のスクワットと異なり、足を前後に開いて行います。通常のスクワットよりも腰を痛めるリスクが少なく、筋力が弱い女性でも取り組みやすい点が特徴です。

両足を前後に大きく開く
両ひざを曲げながら上半身をゆっくりと下におろす
前の太ももが床と平行になったら元の姿勢に戻す
10回行ったら左右の足を入れ替える

ひざを曲げるときに上半身がふらつく場合は、椅子の背もたれなどにつかまりながら行うとよいでしょう。

スクワットにともない股関節に強い痛みが出る場合もいったん運動を中断し、専門医などに相談することが重要です。

病院の受診

股関節のズレや外れるような違和感が続く場合には、整形外科を受診して正確な検査を受けることが重要です。病院では症状に応じて、主に以下のような治療が行われます。

✔薬物療法
✔理学療法
✔手術療法

股関節の痛みがある場合には、消炎鎮痛剤を用いた薬物療法を行うことが一般的です。痛みを緩和するためにヒアルロン酸注射を行うケースもあります。

股関節の症状に対する理学療法の種類は、超音波療法や体外衝撃波治療、低周波治療、運動療法などさまざまです。

近年では脂肪幹細胞治療やPRP治療、PFC-FD治療などの再生医療も注目されています。自分の細胞を用いた治療のため、副作用のリスクが低い点がメリットです。

上記の治療を行っても改善が見られない場合や、日常生活に不具合を来すほど症状が重篤な場合には、手術療法(人工関節置換術)などが検討される場合もあります。

【関連記事】
人工関節とは

まとめ:股関節に違和感を覚えた場合は病院で受診を!

股関節がズレる、もしくは外れるような感覚が生じる原因はさまざまなため、自分自身の判断に頼って放置することは危険です。

例えば変形性股関節症の場合、最初は関節まわりの違和感を生じる程度ですが、放置した結果として症状が進行すると、最終的には手術が必要です。

股関節の違和感を覚えた場合は速やかに整形外科を受診し、精密検査などを受けて正確な診断をしてもらいましょう。

寝違えなどの一過性の症状であれば過度に心配する必要はありませんが、痛みやしびれが慢性的に続く首の神経痛の場合は整形外科を受診することがおすすめです。

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