もしかしたら鼠径ヘルニアかも?症状と原因をご紹介

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鼠径ヘルニアは脱腸とも呼ばれており、日本では年間10万人以上が治療を受けている、それほど珍しくない病気の1つです。こちらの記事では、鼠径ヘルニアの原因や発症しやすい人の特徴、および治療法について解説します。

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【目次】
■鼠径ヘルニアとは?
■鼠径ヘルニアの原因
■鼠径ヘルニアは自分で治せる?

■まとめ:鼠径ヘルニアを放置すると…

■鼠径ヘルニアとは?

鼠径ヘルニアには先天性のものと、後天性のものと2つのタイプがあります。発症原因としては主に以下のれいがあげられます。

✓先天的なヘルニア嚢
✓加齢
✓運動・仕事など生活習慣
✓他の病気
✓妊娠

鼠径ヘルニアを発症する主な原因について解説します。

先天的に生まれながら発症

鼠径ヘルニアはどちらかといえば男性に多く見られる病気ですが、特に以下の点に当てはまる方が発症しやすいとされています。

✓中高年の男性
✓力仕事や立ち仕事が多い
✓便秘症の人
✓肥満の人
✓喫煙者
✓前立腺肥大の人
✓咳をよくする人
✓妊婦

鼠径ヘルニアの原因

鼠径ヘルニアには先天性のものと、後天性のものと2つのタイプがあります。発症原因としては主に以下のれいがあげられます。

✓先天的なヘルニア嚢
✓加齢
✓運動・仕事など生活習慣
✓他の病気
✓妊娠

鼠径ヘルニアを発症する主な原因について解説します。

先天的に生まれながら発症

鼠径ヘルニアは筋膜が伸びてできる袋状のヘルニア嚢に、腸管などの一部が逸脱することで発症します。胎児の中には生まれつきヘルニア嚢を持っており、母胎内ですでに鼠径ヘルニアを発症しているケースが見られます。

乳幼児の鼠径ヘルニアは自然治癒するケースもありますが、根本的に改善するためには手術療法を受けることが重要です

加齢

鼠径ヘルニアは筋肉や筋膜が弱くて薄い場所に多く見られます。そのため、加齢にともなって筋力が低下すると、腹壁がぜい弱化して鼠径ヘルニアの発症リスクが増加します。

実際に、鼠径ヘルニアの好発年齢は65才から80才とされているため、鼠径部に違和感がある高齢者は、なるべく早めに医療機関を受診しましょう。

運動・仕事など生活習慣

力仕事や立ち仕事など腹壁に負担がかかる仕事をしていると、腹圧によって腸管の逸脱を引き起こすリスクが増加します。

他の病気と併せて発症

喘息や便秘など腹壁に負担がかかる病気を持っている場合、腹圧によって腸管が逸脱し、鼠径ヘルニアを発症するリスクが増加します。

また、遺伝子異常が原因で起こるエーラス・ダンロス症候群やマルファン症候群、大動脈瘤などが原因で鼠径ヘルニアを併発するケースがあります

妊娠時に発症

女性の場合は妊娠時に鼠径ヘルニアを発症するケースが少なくありません。妊娠にともない徐々にお腹が大きくなると、胎児によって腸管が圧迫されるためヘルニアを引き起こしやすくなります。

鼠径ヘルニアは自分で治せる?

鼠径ヘルニアは発症者の身体の構造的な問題でもあるため、原則として自然治癒は期待できません。装具で腸管の逸脱部を圧迫する方法はありますが、あくまでも対症療法に過ぎません。

鼠径ヘルニアを放置すると排便障害や排尿障害を引き起こしやすくなるうえ、時として「嵌頓(かんとん)」と呼ばれる、命に関わる症状を引き起こす可能性があります。

そのため、鼠径ヘルニアが疑われる場合、すみやかに専門医の診察を受けることが重要です。

手術について

鼠径ヘルニアの治療は主に手術療法が中心となっています。手術療法には主に以下2つの方法があります。

✓鼠径部切開法
✓腹腔鏡手術

鼠径ヘルニアに対する手術法について解説します。

保存療法

鼠径部切開法は古くからおこなわれている鼠径ヘルニアに対する術式で、足の付け根を切開してヘルニア嚢を縛ったり、メッシュで閉じたりする点が特徴です。

子どもの場合は足の付け根を1センチメートルから2センチメートル切開して、ヘルニア嚢を縛る「Potts法」を選択することが一般的です。

大人の場合は足の付け根を5センチメートルから6センチメートルほど切開して穴をメッシュで閉鎖します。メッシュを置く場所により「Lichtenstein法」や「Mesh plug法」「Kugel法」「Direct Kugel法」などさまざまな術式が採られます。

腹腔鏡手術

近年になり鼠径ヘルニアの治療に、腹腔鏡手術を採用する病院も増えてきています。鼠径部に5ミリメートルから12ミリメートル程度の穴を3つ開け、腹腔鏡の画像を見ながらヘルニアの部分にメッシュを当てる術式が一般的です。

腹腔鏡手術は大きくTAPP法とTEP法の2つに分けられます。TAPP法は正式名称をTrans-Abdominal Pre-Peritoneal repair(経腹的腹膜外修復法)と言い、お腹の中で施術する点が特徴です。

TEP法は正式名称をTotally Extra-Peritoneal repair(完全腹膜外修復法)と言い、お腹の中ではなく腹壁内で施術をおこないます。

いずれの術式も鼠径部切開法に比べると傷口が小さく、身体に与えるダメージが少ないため、早期に仕事や日常の生活に戻れるうえ、慢性的な痛みを残しにくい点がメリットとされています。

一方、鼠径部切開法に比べると手術時間が長いだけでなく、手術費用が高額になる点がデメリットです。また、鼠径部切開法は局所麻酔下でおこなうのに対し、腹腔鏡手術の場合は全身麻酔が必要となります。

大腸がんなどの手術では腹腔鏡手術の方が圧倒的にメリットが多いのですが、鼠径ヘルニアの場合はいずれの術式を採用してもそれほど大きな差がありません。

執刀に当たる外科医の力量にも左右されるため、担当医が慣れている術式を選択することも1つの方法と言えるでしょう。

まとめ:鼠径ヘルニアを放置すると…

鼠径ヘルニアは腸管など臓器の一部が、筋膜にできた穴から逸脱する病気の1つです。筋膜は筋肉と異なって鍛えることができないため、鼠径ヘルニアを自力で治すことは困難です。

鼠径ヘルニアを放置した場合、最終的には腸管が陰嚢にまで逸脱して「嵌頓(かんとん)」を起こす可能性があります。

嵌頓を引き起こすと逸脱した腸が元に戻らなくなり、最悪の場合は命にかかわるため注意が必要です。鼠径ヘルニアが疑われる場合は症状の有無にかかわらず、早期の診察・治療を受けましょう。

今回ご紹介した鼠径ヘルニアの症状に思い当たる方は、お気軽に当院を受診ください。

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