背中の痛みはストレスが原因かも?痛みの原因や対処法を解説!

  • 整形外科

脊椎センター長監修記事

梅林猛

大島功生

池袋西口病院脊椎センター長/日本整形外科学会専門医/日本脊椎脊髄病学会指導医

池袋西口病院では脊椎手術に特化した(池袋西口病院脊椎センター)を運営しています。その施設の責任者である大島功生医師監修の下、リハビリテーションや脊椎疾患、手術術式についても寄稿していきます。

背中から腰に掛けて痛みを感じたことはありませんか?実はストレスが関係している可能性があります。
この記事では背中の痛みやその原因ついて解説していきます。

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【目次】
■背中が痛い!原因とは?
■ストレスによる背中の痛みはどうやって解消する?対処法を解説!
■背中の痛みはストレスだけじゃない?内臓疾患やがんの可能性も!
■まとめ:自己判断せず、気になったら病院へ!

■背中が痛い!原因とは?

背中に痛みを引き起こす原因の1つとしてストレスによる影響が考えられます。なぜストレスが原因となり、痛みが引き起こされるのでしょうか。

自律神経のバランスが崩れ、交感神経優位な状態になると…

背中には多くの筋肉が存在し、身体をしっかりと支えています。特に、僧帽筋は首元から背中にかけて広範囲にわたって広がっている筋肉で、他の筋肉と異なり、脳から直接神経がつながっており、ストレスの影響を受けやすい特性を持っています。神経には主に四つの役割があります。それは、筋肉を動かすための運動神経、感覚を脳に伝える感覚神経、そして自律神経である交感神経と副交感神経です。交感神経優位な状態は活動モードであり、一種の興奮状態でもあります。対照的に、副交感神経優位な状態は休憩モードであり、リラックスした状態です。交感神経が優位な状態では、筋肉が収縮し、緊張状態となります。その結果、筋肉内の圧力が上昇し、痛みのセンサーが刺激されて痛みが引き起こされます。また、血管が収縮し血流が悪化することで、筋肉などの組織が損傷した場合に回復が難しくなり、痛みを引き起こすことがあります。このように、ストレスによって交感神経が優位になると、肩こりや首のこりが引き起こされやすくなり、肩甲骨周りの筋肉が硬くなることで血流が阻害され、痛みの原因となる物質が除去されにくくなり、背中の痛みが生じることがあります。

脳機能の不具合

仕事や人間関係からくる心理的なストレスは、脳内の感情をコントロールする部分に悪影響を及ぼします。加えて、感情をコントロールするこの部分は、痛みの感覚を制御する部位や筋肉の動きを司る部位と密接に関連しており、それらの部位にも間接的に影響を与えます。その結果、脳機能に異常が生じ、筋肉を緊張させ、筋肉内の圧力を高め、痛みを誘発するとともに、血管を収縮させて血流の障害を引き起こします。この血流の障害により、筋肉内にある痛みの原因となる物質が神経を刺激し、結果として背中に痛みを引き起こすと考えられます。

胃疾患による痛み

ストレスが溜まると、つい好きなものを食べ過ぎて、お酒を飲み過ぎてしまうことがあるかもしれません。このような暴飲暴食が原因で、背中に痛みが生じる可能性もあります。特に、背中の左側が痛い場合は、胃潰瘍や胃炎の症状である可能性が高いです。

胃潰瘍や胃炎が発生する原因の一つに、胃内の酸性度が異常に高まることが挙げられます。暴飲暴食によって胃酸が過剰に分泌されると、ストレスで交感神経が優位になった際、胃の活動が抑制されます。すると、胃内に入った食物が長時間滞留し、それにより大量の胃酸が分泌され続けます。これが原因で胃内の酸性度が異常に高まり、胃の粘膜や胃自体がダメージを受けてしまいます。結果として、胃潰瘍や胃炎が発症し、それが背中の痛みを引き起こすケースもあります。

【関連記事】
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ストレスによる背中の痛みはどうやって解消する?対処法を解説!

自律神経を整える

ストレスを軽減し、自律神経のバランスを整えることで背中の痛みを和らげる可能性があります。自律神経のバランスを整える方法として以下の方法が推奨されます。

質の高い十分な睡眠をとる

質の良い睡眠をしっかりととることは、ストレスの改善に基本となる対処法です。良質な睡眠により脳の機能を休息させ、脳機能の不具合をリセットすることが可能です。これにより、ストレスが軽減され、自律神経のバランスも整えられます。

適度な運動を行う

適度な運動は、ストレス改善のために有効な方法です。運動により交感神経を刺激し、運動後には副交感神経が活性化します。また、運動は感情をコントロールする脳の部位に良い刺激を提供し、ストレスが引き起こす脳機能の不具合を修正することも可能です。更に、運動により血流が改善し、血流不足が原因で起こる背中の痛みも軽減することができます。運動の強度は軽めでも効果が期待でき、ウォーキングやストレッチ、ヨガなど取り組みやすいものがお勧めです。

誰かと話をする

ストレスを抱えているとき、感情が整理できていないことがよくあります。感情が整理できないと、さらにストレスを感じやすくなります。信頼できる友人や知人に感情や思いを話すことで、自分自身の感情を整理し、ストレスを軽減することができます。また、話すことで思考を整理し、ストレス状態で感じる不快感や不安感を和らげることができます。

背中の痛みはストレスだけじゃない?内臓疾患やがんの可能性も!

腰痛や背部痛を症状して考えられる病気には多くの可能性があり、腰痛や背部痛を抱えている場合にはさまざまな病気が隠れている可能性を考えなければなりません。背中の痛みの場所別に、隠れている可能性のある病気を一部解説します。

背中の左側の痛み

背中の左側に痛みがある場合に異常が疑われるのは、以下のような臓器です。

✓胃
✓心臓
✓膵臓

胃の疾患

以下のような疾患が考えられます。
✓胃潰瘍
✓胃炎
✓逆流性食道炎

上記の胃疾患は先述したようにストレスにより自律神経のバランスが乱れることにより胃内部の酸性が強くなり、胃や食道までもダメージを与えた結果起こる疾患です。

心臓の疾患

以下のような疾患が考えられます。
✓心筋梗塞
✓狭心症
✓大動脈解離
これらの心臓疾患は胸部の痛みを伴うことが共通していますが、背中の痛みも同時に起こります。背中の痛みだけで起こることはまれではありますが、注意しなければならない疾患です。

膵臓の疾患

以下のような疾患が考えられます。
✓膵臓がん
✓膵炎(急性・慢性)

膵臓は胃の後方に位置する臓器です。そのため、背中の痛みが症状として出現することがあります。膵臓の疾患は腹部にも痛みを引き起こすため、胃の疾患と類似している点があるため、治療開始が遅れる可能性があります。そのため、黄疸などの症状が出ている場合はすぐに受診が必要な疾患になります。
背中の左側が痛い際にはこれらの疾患の可能性があります。

背中の真ん中や腰回りの痛み

背中の真ん中に痛みがある場合に異常が疑われるのは、以下のような臓器です。
✓腎臓
✓膵臓

腎臓の疾患

以下のような疾患が考えられます。
✓急性腎盂腎炎
✓慢性腎盂腎炎
✓腎臓結石
✓急性腎梗塞

腎臓は肋骨の少し下のあたりに背骨を挟むように対になるように存在しています。そのため、腎臓の疾患がある場合、背中の真ん中が痛いことがあります。他にも先述した膵臓も背中の真ん中が痛いこともあり、これらの疾患の可能性を考える必要があります。

背中の右側の痛み

背中の右側に痛みがある場合に異常が疑われるのは、以下のような臓器です。
✓肝臓
✓胆嚢や胆管

肝臓の疾患

以下のような疾患が考えられます。
✓肝炎
✓肝硬変
✓肝臓がん
肝臓は肋骨の右側の下部に肋骨に守られるように存在しています。肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれることがあり、背中の右側が痛い場合、これらの肝臓の疾患は病状が進行した状態の可能性もあります。

胆嚢や胆管の疾患

以下のような疾患が考えられます。
✓胆嚢炎
✓胆嚢がん・胆管がん
✓胆管結石
胆管と胆嚢は肝臓とつながっている臓器で肝臓の下部に存在します。胆嚢や胆管に異常がある場合、みぞおちや肋の右側が痛いことがあります。同時に背中の右側が痛いこともあります。胆嚢と胆管の疾患は肝臓の疾患と密接に関連しているため、背中が痛い場合は病状が進んでいる可能性が高いです
このように、背中の右側が痛いという症状は病状が進んでいる可能性があります。そのため、背中の右側に痛みを感じた際は早急な受診を考える必要があります。

がんも隠れている可能性が!?背中の痛み以外の他の症状をチェック!

背中が痛いことは場所により様々な臓器の疾患の可能性を示しています。そのため、背中が痛い場合にはがんも隠れている可能性があります。
以下の症状がある場合はがんの可能性を疑う必要があります。

発熱があるか

ストレスが原因での腰部や背中が痛い場合には熱は出ません。しかし、高熱が出て、背中や腰が痛むという場合には内臓の病気を疑う必要があります。先述したように背中の痛い場所によりがんがある臓器が考えられます。

体重減少や食欲低下があるか

背中が痛いという症状以外に食欲不振、体重減少、腹部の違和感などがある場合にはがんの可能性を考えましょう

まとめ:自己判断せず、気になったら病院へ!

今回は背中の痛みの原因について解説してきました。背中の痛みはストレスが原因で引き起こされることもあります。一方、内臓の疾患の可能性を示している重要なサインでもあります。背中が痛い際はあらゆる可能性を疑って、気になったらすぐに受診をしましょう。

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