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内視鏡による胃腸病の診断・治療(胃がん、ポリープ、大腸がんの内視鏡的治療)平塚胃腸病院グループ|池袋駅南口より徒歩5分

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手術・治療案内

トップページ»  手術・治療案内

腹腔鏡手術

腹腔鏡下鼡径ヘルニア手術

腹腔鏡下手術が普及するにつれて鼡径ヘルニア手術も腹腔鏡下でなされるようになりましたが、2002年~2004年頃に一時期施行件数が減少しました。 しかし、2009年の欧州ヘルニア学会ガイドラインで腹腔鏡下鼡径ヘルニア手術が推奨度Aとなってから施行件数が急速に増加してきています。
当院では2014年1月から導入しています。 これには、1)腹腔内アプローチ[TAPP]と2)腹壁外アプローチ[TEP]の2つの方法があります。前者では臍のほか2箇所の腹壁(右下腹部と左下腹部)に小さい穴を開け、腹腔鏡でみながら手術を行い、腹壁の弱い部分にメッシュ(補強のための人工繊維)を当てる方法です。一方、後者では3か所の術創を臍の1つにまとめて(単孔式)手術を完遂できます。この手術には、次のような利点があります。

  • 傷あとが目立たない
  • 手術後の痛みが少ない
  • 手術当日に歩くことができ、翌日から食事がとれる
  • 手術のあと2~3日で退院できる
  • 術後再発予防のため、便通のコントロールが重要なのは従来法と同じです

なお、過去に下腹部手術を受けたことがある方は、この手術が難しい場合があり、個別に判断が必要です。

腹腔鏡下胆嚢摘出術

1990年後半から日本で行われるようになりました。当院では1991年6月から導入しており、2016年11月末で累積手術例数が1700例を超えています。臍のほか3箇所の腹壁に小さい穴を開け、腹腔鏡でみながら胆嚢を切除する方法であり、次のような利点があります。

  • 傷あとが目立たない
  • 手術後の痛みが少ない
  • 翌日から食事がとれ、歩くことができる
  • 手術のあと3日で退院できる
  • 手術のあと10日から2週間で全く普通の生活にもどることができる
  • 術後の腸癒着症が少ない

胆石症の症状・診断・治療:説明書(PDF)

腹腔鏡下虫垂切除術

腹腔鏡下胆嚢摘出術が普及するにつれて虫垂切除術も腹腔鏡下でなされるようになっています。当院では2004年1月から導入し、2016年11月末で累積手術例数が100例を超えています。臍のほか2箇所の腹壁(右上腹部と左下腹部)に小さい穴を開け、腹腔鏡でみながら虫垂を切除する方法であり、次のような利点があります。

  • 傷あとが目立たない
  • 手術後の痛みが少ない
  • 翌日~翌々日から食事がとれ、歩くことができる
  • 手術のあと3~5日で退院できる
  • 手術のあと10日から2週間で全く普通の生活にもどることができる
  • 術後の遺残膿瘍や腸癒着症が少ない

単孔式腹腔鏡下虫垂切除術

整容的(美容的)観点から腹腔鏡下虫垂切除術を臍のみの切開創から行う単孔式手術が近年急速に広がりつつあります。当院では2012年1月から導入し、2016年11月末で累積手術例数が55例であり、現時点で腹腔鏡下虫垂切除術の半数を超えており、今後は単孔式が主体になります。臍以外の2か所の切開を行わず、臍の切開創に集中して腹腔鏡のほか2つの手術器具を挿入するため窮屈な手術になり、高度の技術を要することになりますが、炎症が軽度のものではそう難しくありません。したがって、抗生物質で炎症を治めた後に行うと成功率が高くて理想的です。理論上も術後の遺残膿瘍は起こりません。これより、次のような利点があります。

  • 傷あとが目立たない(臍は凹んでいるのでわかりにくく、傷がないに等しい)
  • 手術後の痛みが少ない
  • 翌日から食事がとれ、歩くことができる
  • 手術のあと3日で退院できる
  • 手術のあと10日から2週間で全く普通の生活にもどることができる
  • 術後の遺残膿瘍は認めず、腸癒着症が少ない

腹腔鏡補助下大腸切除術

1992年からまず早期癌に対して日本で行われるようになり、その後、進行癌に対してもなされるようになりました。当院では2003年7月から導入し、2016年11月末で累積手術例数が210例を超えています。臍のほか3~4箇所の腹壁に小さい穴を開け、腹腔鏡でみながら大腸を切除する方法です。胆嚢や虫垂より大きい臓器を摘出して吻合・再建するため小切開が必要ですが、その長さは開腹手術の15~20cmに比べてはるかに短く、5cm前後で済みます。これは元々腹壁などに癒着している大腸を腹腔鏡下に剥離したあとで外に取り出すことにより、最小限の皮膚切開で済ませられるからです。このため、次のような利点があります。

  • 最大の傷あとでも5cm前後と小さく、他の傷あとは目立たない
  • 手術後の痛みが少ない
  • 翌日~翌々日から歩くことができる
  • 手術後の排ガス(腸管機能回復)が1~3日であり、開腹手術より1~2日早い
  • 手術の部位により、術後4~7日で食事がとれるようになる
  • 手術のあと12~14日で退院できる
  • 術後の腸癒着症が少ない

次に実例を提示します。腹腔鏡補助下右結腸切除術を行った方の傷あとです。右上腹部の術創から病巣を含めた腸管を切除し、吻合・再建しました。最大の術創の長さは3.5cmであり、他に径5mmの傷あとが4個みられます。通常の開腹術を行う場合は赤線のような皮膚切開になり、状況に応じて10~15cmの長さが必要です。

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内視鏡検査・治療について

近年、内視鏡機器の精度向上・デバイスの発達により内視鏡治療も進歩し、ポリープや腺腫といった前がん病変・早期がんの内視鏡治療が盛んにおこなわれています。
当院でも、最新の設備による内視鏡検査・治療に取り組んでおります。

1.内視鏡観察(HVスコープ・NBIシステム)

当院での内視鏡検査には、従来のスコープより解像度が高く、微小な病変の発見に有用なハイヴィジョン(HV)スコープを主に用いております。
また、NBIというシステムで粘膜の表面構造や微細な血管構造を確認することにより、従来は見つけにくかった咽頭の病変や食道の早期がんなどを発見率が向上し、加えて病変の範囲や深さを推定することが可能となっています。

症例:咽頭がん
耳鼻科で喉頭スコープを受け異常なしと言われたが、咽頭の病気が心配で来院。

  • 咽頭がん
    通常観察で、喉頭蓋に
    発赤・血管象の消失を認める。
  • 咽頭がん
    NBIでは境界明瞭な茶色の
    領域として認識される
  • 咽頭がん
    血管構造を拡大観察し、
    早期がんと診断した

症例:食道がん
スクリーニング目的に検査。

  • 食道がん
    通常観察では12時方向に
    わずかな陥凹を認める
  • 食道がん
    NBIでは8ミリ大の境界明瞭な
    茶色域として認識。
  • 食道がん
    血管構造を拡大観察し、
    早期がんと診断した

2.内視鏡治療

現在当院では、内視鏡にて発見されたポリープ・腺腫といった前がん病変や、早期がんに対しての内視鏡治療を積極的に行っております。
ただ、ガンの治療に関しては、内視鏡ではリンパ節は切り取れないため、治療の適応はリンパ節転移の可能性が極めて低い病変となります。その可能性については、癌の深さ・癌の分化度・広がり・潰瘍の有無などが関係しますが、臓器ごとに多少異なります。
最終的には、内視鏡切除した病変を顕微鏡で確認し(病理検査と言います)、リンパ節転移の可能性を判断することになります。したがって病理の結果によっては、内視鏡治療後に追加で外科的手術を要することもあります。

<治療法①>

スネアリング法:内視鏡的粘膜切除術(EMR)、ポリぺクトミーなど20㎜以下の比較的小さな病変が治療の対象となります。

  • スネアリング法
    12mm大のポリープを発見
  • スネアリング法
    粘膜下に注射を入れ
    ポリープを持ち上げる
  • スネアリング法
    電気を通すスネアでポリープをつかむ
  • スネアリング法
    しっかり把持して通電する
  • スネアリング法
    ポリープを焼き切った創
  • スネアリング法
    出血予防のため
    医療用クリップで創を縫縮

<治療法②>

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
従来のスネアリング法では切除できない大きな病変や潰瘍・繊維化などを伴った病変などが治療の対象となります。
この方法により一括で切除することで、病変の顕微鏡での評価がより正しく行うことができます。

  • 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
    画面中央の発赤の部分に
    早期がんを認める。
  • 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
    ガンの周囲にマークを付ける
  • 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
    ガンの粘膜下に注射を入れ、
    粘膜を膨らませる
  • 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
    膨らませた部分を切開。
  • 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
    切開部を広げていく。
  • 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
    切開部をどんどん剥いでいく。
  • 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
    病変部を完全に剥ぎ取ってしまい、
    ガンを切除。
  • 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
    摘出したガン
  •  
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EMR

EMR 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
大腸 323 327 286 410 245

 

ESD

ESD 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
84 62 70 82 63
大腸     52 113 104

 

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直腸・肛門周囲の治療

1.ジオン注射(ALTA療法)

脱出する痔核を改善するジオン注治療

ジオン注は、脱肛を主訴とした内痔核に対する比較的新しい治療です。
痔核に直接薬液を注射する方法で、切除術とは異なり傷ができないので、術後の痛みや出血が少なく、治療期間も短いなどの利点があります。薬のメーカーより1年後の脱肛再発率が16%と公表されていますが、逆に80%強は根治に至る、画期的なものです。
しかし、すべての痔核に適応があるわけではありません。外痔核を伴うものや、脱肛の程度が強いものには無効もしくは不充分です。
また、下記の方はジオンの使用が禁忌とされています。

1.妊娠・授乳中の方
2.透析中の方
3.重症の肝機能障害、腎機能障害
4.15才以下の方
5.嵌頓痔核
6.全身状態が不良な方

現在、技術の教育を受けた医師のみが治療施行可になっています。適応を見極めるには、肛門診療の経験が必要ですが、当院では大腸肛門病学会専門医(佐藤飛田・星野)が対応にあたっています。

当院では手術室で腰椎(下半身)麻酔下に、肛門の筋肉を緩ませて、視野のよい状態で痔核の性状を再確認し、最適な部位にジオンを注射しています。手術時間は10分弱です。手術前日からの入院、術翌日に退院の2泊3日を原則としています。抗血栓薬を内服の方は、外来で局所麻酔下にて対応することもあります。

肛門診療は火・木・金曜日を中心に、肛門科医師(佐藤飛田・星野)が診察します。お気軽に受診ください。

2.痔核根治術

内痔核が大きく腫れると肛門の外に飛び出して出血や痛みがひどくなります。腫れがさらに広がると外まで拡がり外痔核を形成します。
この飛び出す内痔核や外痔核を切除します。
手術の際には腰椎麻酔を行います。
下半身麻酔(臍より下)です。入院が必要です。完治するまで約2ヶ月かかります。この間、排便の管理をして硬い便や便秘を予防します。

3.血栓除去術

血栓性外痔核という病気があります。
肛門の外側に大きな血まめ(血栓)を形成して腫れて炎症を起こします。
とても強い痛みが出ます。排便の管理と薬で治療することが多いですが、大きな血栓で激しい痛みがあるときは手術をして血栓を除去します。

4.切開排膿ドレナージ術(肛門周囲膿瘍に対する)

肛門の周囲に膿がたまってくる病気を肛門周囲膿瘍といいます。
腫れて激しく痛みます。
熱も出ることがあります。
痔瘻の始まりです。
入院の下、麻酔をかけて切開し膿を出します。奥にたまった膿を出すためにドレーンという管を入れることがあります。

5.痔瘻根治術

肛門と周囲の皮膚との間に瘻孔(皮下のトンネル)が生じて膿が出てくる病気です。
腫れたり強く痛んだりします。
手術をして瘻孔を切除しないと治りません。
麻酔は腰椎麻酔です。完治まで約2ヶ月かかります。この間、下痢をすると痔瘻が再発する危険がありますから注意が必要です。

6.肛門形成術

裂肛が繰り返し起こると慢性裂肛(慢性潰瘍)となっていつまでも治らなくなります。
慢性潰瘍や手術瘢痕のために肛門が狭くなって十分に開かなくなった場合に行います。
手術を行って肛門がよく開くようにします。

7.肛門ポリープ切除術

肛門に生じたポリープをその根元で切除します。痛いところの手術であることと肛門を広げる必要があるため腰椎麻酔をかけます。

8.直腸脱根治術

直腸を固定して支える支持組織(骨盤底筋群)が弱くなり、さらに肛門括約筋の収縮力(締まり)も悪くなって息むと同時に直腸が肛門の外へ飛び出してくる病気を直腸脱といいます。
直腸を固定したり、短縮したりして脱出しないようにします。また、ゆるんだ肛門を狭くする手術を併せて行うこともあります。

9.そけいヘルニア根治術

そけいヘルニアとはそけい部の腹壁が弱くなって内臓が飛び出してくる(脱腸)病気です。
そけい部に腹膜の袋ができてその中に内蔵が脱出してきます。治すためには手術が必要です。
内臓をお腹の中に戻して弱くなった腹壁を人工のプラグ(栓)や化学繊維膜を用いて補強します。組織が固まって頑丈になるまで約1ヶ月かかります。この間、激しいスポーツや重労働、トイレでの強い息みを控えます。

平塚胃腸病院は専門医制度と連携したデータベース事業に協力しています。
詳しい情報はこちらからダウンロードしてください。(PDFファイル

治療実績

  2012年 2013年 2014年 2015年
肛門手術件数 57 72 57 71

 

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肛門科(症状からみた肛門科疾患のご紹介)

下血の方

便器に飛び散るような出血、便に絡むような出血、排便だと思ってトイレに行くと血の塊が出た、粘液に血が混じるなど様々な出血があります。
これは肛門から出ているか、(痔核や裂肛からの出血か)、大腸から出ているかは大腸内視鏡と肛門鏡をやってみないとわかりません。
血の出方や、血の濃さ、いきおい、色、量などで一概にどちらと決めることはできないのです。一度、外来でご相談いただくことが重要です。
慢性的な貧血の方で、輸血が必要になる方もいらっしゃいます、お早めに一度受診下さい。

肛門からの出血の場合、その原因は、痔核、裂肛、痔瘻など様々な原因があります。

痔核からの出血の場合、薬と止血の座薬で様子も見ることが多いですが、パオスクレーという薬を局所に注射して、止血する場合、ALTAという効果療法をする場合、切除の手術を緊急手術として施行する場合もあります。

痔核は4タイプに分けられ3度以上が手術適応の一つの目安とされます。
しかし、実際は痔核の症状である、痛み、出血。脱出でお困りの場合、手術を検討します。

手術は、別に示すように切除、PPHといった機械を使用する方法のほか、ALTAと呼ばれる注射の方法や、マックギブニーというゴム輪で痔核を縛る方法もあります。
手術の場合7泊程度の入院になることが多いですが、ALTA、マックギブニーなどでは日帰り~短期1泊入院で治療することができます。
また、適宜手技を組み合わせて、短期入院でも根治性が高い手術を行うよう、工夫することも、実際の臨床では行われます。

下血が、大腸からの出血の場合もあります。その原因は、憩室出血、虚血性大腸炎、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローンなど)、大腸癌、出血性直腸潰瘍、放射線性腸炎、感染性腸炎、薬剤性腸炎など多様な可能性があります。
肛門の病気と並存する場合もあり、大腸内視鏡も併せてやっておくほうが良いと思われます。

 

肛門の痛みの方

痛みもピリピリするような痛み、奥の鈍い痛み、排便時のさす痛み、排便に関係なく持続的に痛い、急に始まったもの、慢性的にあるものなど様々です。
裂肛の場合、熱をともなう場合痔瘻、肛門周囲膿瘍のこともあります。肛門の奥の痛みの場合、肛門挙筋の筋肉痛である、肛門挙筋痛(挙筋症候群)の場合もあります。痔瘻癌や肛門管癌のような場合もあります。肛門ヘルペスなど表面の原因の場合もあります。肛門周囲膿瘍(周囲に膿が溜まっているケース)では、排膿(膿を皮膚を切って外に出すこと)が必要になります。当科では肛門エコーで適切にこれらの原因を鑑別し、対処いたします。肛門周囲膿瘍の場合、外来で切開排膿を行うと、症状は劇的に良くなります。その後約50%の人には痔瘻という膿の通り道ができます。これが確認された人は、痔瘻根治術が必要になります。いずれにせよ原因は様々です。一度、外来で御相談いただくことが重要です。

 

脱出の方

肛門から排便時何かが飛び出して自然に戻る、あるいは手で戻すと戻る、肛門からりんごのように腸がでているような気がする、肛門のまわりにイボのようなものがある、肛門のおできではないが、肛門の皮膚がたるんできになる、これらも急に始まったもの、慢性的なものなど、脱出にも様々な症状があります。妊娠出産のあとひどくなる場合もあります。
原因も痔核のほか、肛門ポリープ、見張りイボ、皮膚のたるみである皮垂、尖圭コンジローマなどの感染性の病気、直腸脱の場合もあり、様々です。一度、外来で御相談いただくことが重要です。

 

便失禁のある方

便失禁は潜在的には日本人で500万人の潜在的患者様いるとも言われており、各年代で7%程度の罹患率があるとも言われています。
失禁にも、肛門が湿る気がする、ガスがよくもれるようになった、という軽い症状から、下着が汚れることが多い、便がもれるなど様々です。肛門括約筋がゆるみ漏れが出る場合や、痔核などで肛門のしまりが悪くなる場合、また下痢になると便が漏れやすくなります。下痢のようなケースでは、大腸癌がある場合もあります。経膣分娩を経験された女性では、比較的若い時期から、症状が出る場合もあります。様々な要因が合併しているケースもあります。原因は様々で、一度、外来で御相談いただくことが重要です。便失禁にはSNM(仙骨神経刺激療法)などの新しい治療もありますが、講習を受け専門知識をもった医師も在籍しておりますので、状況に応じて、適切な治療をご相談致します。

 

排便時にいきんでも、力が伝わらず、空回りしているような感じのある方

直腸瘤のように直腸の一部が突き出し、力が伝わりにくくなっている構造的原因の場合や、(直腸)重積(口側の腸が肛門側に入り込んでしまう病態)やがんなど物理的狭窄があり、2次的に症状が出ている場合、特に原因らしきものが見つからないが症状が出る場合(特発性)など原因は様々です。一度、外来で御相談いただくことが重要です。

 

産後の方・次の妊娠を考えられている方

産後お尻の腫れ脱出を気にされる方は少なくありません。多くの場合痔核で、妊娠中の便秘や胎児の成長による腹圧が原因で、産後はある程度改善します。しかし、次の妊娠を考えられた場合、また悪化することを心配される方もいらっしゃいます。妊娠の谷間で肛門を直しておく方が良いかどうかは、一定の見解はありませんが、症状次第では、手術などをしておいた方が良い場合もあります。授乳中にて長期入院が難しい場合は、日帰りあるいは1泊短期入院での硬化療法など、状況に応じて御相談致します。一度、外来で御相談下さい。

 

裂肛に悩む方

裂肛は一度できてしまうと、なかなか治らず、出血、痛みが続く場合があります。背景に頑固な便秘など、排便習慣のみだれがある場合も多く、便秘、裂肛両者のコントロールが必要になる場合もあります。
裂肛は、肛門の力が強く、肛門の血流が悪い方で、症状が遷延する傾向があり、裂肛のハイリスク群と言っていいかもしれません。リスクのあるなしに応じた適切な治療を選択することで、症状を早く解決することができます。
また、裂肛はクローン病に伴う特殊なもののこともあり、また裂肛と思っていて実は肛門管癌というケースもあります。
裂肛は状況に応じて、適切な治療を選択することが重要です。一度、外来で御相談下さい。

 

肛門の奥が痛い方

肛門の周りではなく、奥が痛い気がする。病院にいってもなんともないと言われてしまう。このようなケースでは、肛門挙筋痛という、骨盤底を作流筋肉の筋肉痛の場合があります。原因のはっきりしない特発性のものもあります。痛い場所の麻酔をうつトリガーポイント、痛み止め、神経が原因の痛みに対しては、リリカなどの特殊な鎮痛薬などがありますが、安定剤が有効な場合もあり、これらを適宜くみあわせて治療をすることになります。

 

肛門エコー検査について

肛門の周囲を検索できる良い方法です。膿など肛門周囲にある、外からはわかりにくい病変を簡単に検査できます。(図1)
前準備は不要で、検査時間は5分程度、専用の細い機械を使用します。

膿の検索(図1—図4)、臓器脱の発見から、肛門の血流(血流が低いと切れ痔がなおりにくくなります)(図6,7)、肛門周囲の腫瘍の検索(図8)、などに役立ちます。
特に再発の痔瘻の判定は、elastographyという、組織の硬さがわかる機能も併用し診断します。elastography併用肛門エコーは、再発痔瘻判定の、非常に精度の高い診断手段です(図5)。

 

図1:深部にある膿瘍。皮膚からでは大きな膿瘍でも、わかりにくい場合がありますがエコーでは一目瞭然です。

 

図2:クローン病の深い骨盤直腸窩膿瘍(矢印)です。

 

図3:深部膿瘍の処置は困難な場合もありますが、エコー下にやることで、針(矢印)を適切な場所に誘導することができ、確実に排膿ができます。

 

図4:ヒュミラとの併用で炎症を収めることができました。

 

図5:正常、痔瘻、瘢痕、膿瘍のエコー像の比較。エラストグラフィー硬さのわかる機能を併用することで、4者をより適切に判別できます。硬い組織は青、柔らかい組織は赤で表示されます。瘢痕は固く膿瘍は非常に柔らかい組織でできています。痔瘻はその中間です。

 

図6:血流の悪く肛門を占める力の強い人は裂肛が治りにくい傾向にあります。
フラクタル次元という指標を使うことで肛門の血流をエコーで評価できます。

  • 血流の多い肛門
  • 血流の少ない肛門

 

図7:肛門を絞める力が強く肛門の血流が多い症例(網掛け部)は、治りにくい傾向にあります。これに対し、早くから適切な治療を施すことで、より早く裂肛を治すことができます。FDは血流の指標で、値が低いと血流が悪いことを表します。

 

図8:肛門エコーは腫瘍の鑑別にも役に立ちます。 この症例はGISTで非常に硬い(エラストグラフィーで青く)写ります。

 

一方こちらは同じような内視鏡像ですがエラストグラフィーでは柔らかく(緑)炎症と判断し、結果生検により炎症で、適切に手術が回避され肛門が温存されました。

 

痔核など肛門の日帰り手術について

長期入院ができずに手術をあきらめる方が結構いらっしゃいます。
一方、ALTA(硬化療法、注射で自覚を治療します)では、傷が小さいので、痔核によっては、日帰り手術が選択可能です。
麻酔は腰椎麻酔を使用しますので、手術中痛みを感じる心配はありません。
ALTAは再発率が8%と普通の痔核根治術に比べ4倍の程度の再発率ではありますが、適宜日帰りに収まる程度に、切除も加え、根治性を増すことも可能で、入院期間と根治性ができるだけ両立するように工夫することができます。
日帰りの手術の適応は、痔核の規模によりますので、一度ご相談ください。
痔核以外の肛門手術でも、日帰りを適応できる場合もあります。併せてご相談ください。

 

便失禁の治療について SNMについて

便が漏れる、下着が汚れると、といった症状は便失禁の可能性があります。
日本には500万人、便失禁の症状を持つ方がおられると考えられており、20~30代の方でも一定数いらっしゃいます。
おならが漏れやすいなどの症状も方も加えれば(この場合は便失禁とはいいませんが)その数はもっと多くなります。

肛門を閉めるための筋肉である、肛門括約筋のゆるみが原因のこともありますが、偏が柔らかすぎる、痔核などの肛門の病気が並存しているなど原因は様々です。
分娩後であれば比較的若い年齢でも出ることはありますし、肛門の手術を以前されたことがある方や、直腸癌の特に括約筋を切除する手術をされた方や、年齢とともに括約筋がゆるむ場合、便失禁は起こりますが、特にこれといった原因が見つからない場合もあります。

緩い便の便失禁の大元の原因が、大腸癌であった症例もあり、癌、大腸炎などの原疾患がある場合は、その治療を優先しますが、便失禁そのものの治療として、整腸剤、便を固める薬、下痢止め、を組み合わせてまず調整し、その上で効果が芳しくない場合、状況に応じて、その先に治療へと進みます。
肛門括約筋を鍛えるサポートをするバイオフィードバックや、場合により、肛門を閉める筋肉を直接刺激するSNMなども適応になる場合があります。
SNMは専門の講習を受けた医師のみが施工できる治療ですが、当院にも講習受講済みの医師が勤務しており、便失禁の治療も病態に応じて、適切に対処できます。(現在SNMは当院では提供していないため、適応のある方は、ご紹介します)

 

痔核について

痔核は肛門周囲にある静脈でできたクッション(肛門をピッタと閉めるためにあります)を支える組織のゆるみで、脱出、痛み、出血がもたらされる病気のことです。
悪い病気ではありませんので、症状で困っていなければ、とくに手術は必要ありません。症状が煩わしい場合は、何らかの治療が必要になります。
痔核は段階に応じて、いくつかの治療法があります。

<ゴリガーの分類>
一度(脱出はしないが、出血の原因になることはある。):パオスクレー、ALTA(ジオン。痔核硬化療法)
二度(特に排便時に脱出するが、自然に元に戻る):ALTA(ジオン。痔核硬化療法)
三度(脱出し、指を使わないと戻らない):ALTA(ジオン。痔核硬化療法)、痔核根治術(痔核を切除する手術)、PPH(痔核を特殊な器械で切除する方法)
四度(常に脱出しており、指で戻せない):痔核根治術(痔核を切除する手術)、PPH(痔核を特殊な器械で切除する方法)

 

痔瘻について

痔瘻は4タイプに分類(隅越分類)され、これに対応して治療法が決定されます。

I型
IIL型(低位筋間痔瘻)
IIH型(高位筋間痔瘻)
III型(坐骨直腸か痔瘻)
IV型(骨盤直腸か痔瘻)

深いタイプのIIIやIV型およびIILとの合併が多いIIH型は機能温存も考えた、手術を施行する必要があり、肛門の専門医が施行したほうが良いと思います。
当院には肛門の専門医(大腸肛門病専門医 指導医(IIb肛門領域))(佐藤、飛田、星野)が勤務しており、適切な術式を選択できます。
痔瘻は浅いもの、構造的に強い後方のものでは汚染された空間を解放するLay openが根治性が良いとされていますが、構造の弱い前方のもの、深いものでは
シートン法(痔瘻(膿の通り道)をゆっくりゴム輪で締めて、ゆっくり解放する)など機能温存術が選択されます。III IVなどの深いものではHanley 変法など規模の大きな手術が選択されますが(治癒までに3~6ヶ月)、肛門エコーなどを併用し、傷をなるべく小さくする工夫も可能になっておいます。

 

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